■第1ヒートは追い上げ劇の中での転倒
大きなケガはなかったものの右手中指を脱臼
MFJグランプリとなった最終戦JSB1000クラスの決勝は、2ヒート制が採用され、決勝周回数も2周減の15ラップで、行われた。また、前日に行われた予選形式も通常と違うノックアウト方式で実施。柳川選手は、わずか0,13秒ほどの差で最終クオリファイに進むことができず、14番手グリッド・5列目(予選タイム2分9秒794)からの決勝レースとなった。
「どういうわけだか、これまで鈴鹿との相性がよくなくて、結果が残せていないんですよね。だからこそ、2回もチャンスがある最終戦では、なんとかしなきゃいけないと臨んだのですが…」と柳川選手。予選で思うようなポジションを獲得できなかった悔しさを決勝に託すこととなった。
スタートはさすが。抜群の集中力と度胸で、一気にシングルポジションにマシンを進め、オープニングラップは、清成(#72)、中須賀(#9)、安田(#73)、酒井(#39)、渡辺(#76)、秋吉(#4)に次いで7番目に通過していった。その後、8番手に後退するものの4ラップ目には、秋吉選手をかわし、ふたたびポジションをアップ。しかし、予選で改善できなかった部分が、まだ完璧ではなかったのか、マシンを制御するのに苦労していた柳川選手のタイムはなかなか伸びず10秒台のまま、6番手の渡辺選手とのギャップはじりじり広がっていた。
「渡辺選手の背中は見えなかったけど、応援していただいている人のためにも、きちんと攻めようといろいろ乗り方を変えて、暴れ気味のマシンを制御していたんですけどね…」。13周目200Rと呼ばれるコーナーでハイサイドを起こし、転倒。そのままリタイアとなってしまった。その際、ぎりぎりまでマシンを立て直そうとしたため、右手をマシンに挟まれ中指を脱臼。骨折などの大きなアクシデントには至らなかったが、3時間後に迫った第2ヒートへの影響が心配された。
■第2ヒートは納得しかねるペナルティで
突然のシーズン終了となった
まさかのピットストップペナルティ(ピットレーンに戻り、所定場所で一旦停止)。第2ヒートの先頭集団が3ラップ目にはいろうとしたそのとき、コースオフィシャルからゼッケン87にペナルティのサインボードが示された。場内放送は「ジャンプスタートか?! まさか、あの柳川が?!」と叫んだ。
そのとき柳川選手はコントロールラインを10番手でクリア。横江選手(#62)の背後にぴたりとついて、1コーナーでインを突こうとしていた。ホームストレートとはいえ、テールトゥノーズの状況で、オフィシャルのサインボードを見上げる余裕があるはずもない。皮肉にも10秒台だったラップタイムはピットストップのサインが出されてから、9秒台に伸びていた。前を行くグループの背中が見えていたのだ。
「サインボードに気づきませんでした。無視したわけではありません。気づいたのは、それから3周過ぎてから。『え? ゼッケン87? え? 尚護くん? え、ボクじゃん』と思って、ピットに戻ってきたんですが、すでに規定周回数の3周以上が経過していたらしく、そのまま失格になってしまいました。何がなんだかわからなかったというのが、正直なところです」と柳川選手は振り返る。
ペナルティの理由は「レッドシグナル点灯時の静止義務違反」ということだった。いわゆるフライングではなかった。事実、第1ヒートの点灯で、右手中指を脱臼し、半ば感覚がなくなった状態とは思えないほど、きれいなスタートだった。それだけに突然の幕切れに柳川選手はもちろんチーム全員も後味の悪い最終戦となってしまった。
<<野村監督のコメント>>
シリーズチャンピオン争いは厳しくなっていましたが、2ヒート制の鈴鹿で応援していただいているファンのためにもいいレースがしたかったのですが、残念な結果に終わってしまいました。練習走行では相応の手応えを感じていましたが、レースモードに入ったライバルたちも、レベルアップ。柳川選手は予選から苦戦を強いられました。
決勝でも抜群のスタートを見せ、かなり攻めてくれたのですが、第1ヒートはハイサイド転倒。痛めた右手に痛み止めの治療をしてもらって臨んだ第2ヒートでは、かなり不可解なペナルティを受けるなど、不運としかいいようのない結果となってしまいました。このようなカタチで2007年シーズンを終えるのは悔しい限りですが、この悔しさをチームの財産として来シーズンはファンの期待に応えるよう成長したいと思います。この1年、応援本当にありがとうございました。
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