全日本モトクロス選手権 第8戦(近畿大会) IA−2:新井宏彰(TEAM GREEN) 今期10勝目。総合2位でランキング首位を堅守 IA−1:中村友則(K.R.T.)ヒート2 6位 Motorsports Information Race Reportはこちらをご覧ください。
どうしても勝ちたい、勝たなければならないレースだった。 もちろん新井宏彰に取っては、勝利こそが全てのレースの目標である。事実新井は、今季開幕から連勝街道を突き進んできた。しかし、夏のインターバルを前に新井は勝利から遠ざかった。7戦14ヒートを終えた時点で、新井の優勝回数は9。一方でライバルは3勝と2勝を得たに過ぎない。その間新井が表彰台を落としたのは、僅かに2レースのみ。正に圧倒的な内容である。たった2戦、4ヒートという見方もある。モトクロスはただでさえ大きなリスクの伴うスポーツだ。ほんの一瞬の判断ミスが転倒に繋がる。場合によっては大きくポイントを落とすばかりでなく、最悪怪我による欠場という可能性さえ少なくはない。確実にポイントを稼ぐという戦略がタイトルへの最善の近道だという考えもある。だが、新井はあくまで勝つことにこだわった。 迎えた第8戦近畿大会。会場の名阪スポーツランドは、サンド質のハイスピード路面に数々のトリッキーなセクションを配した独特なレイアウトから、クラッシュが多発する危険なコースとして知られていた。しかし新井は怯むことなく攻め立てた。ホールショットこそ譲ったものの、新井は1周目を3番手で戻ってくると、序盤に確実にポジションを上げて3周目早くもトップに躍り出る。中盤独走態勢を敷いた新井は後半、追い上げてきた尾崎友哉の接近を許すが、最後まで攻めの気持ちを維持し、確実にこれを抑えきった。ポイントランキングで新井を追うライバルたちは、遥か後方に沈んでいた。 第2ヒート新井は4位のポジションに甘んじたが、タイトル争いの天王山とも呼べるこのレースを総合2位で切り抜けた。最大の目標であるチャンピオン争いで、守りに入るのではなく攻めて勝つ。残り2戦4ヒート、新井の気持ちに迷いはない。勝利に向かって突き進むだけだ。その先に見えるタイトルは、確実に新井とカワサキの下に近づきつつある。 なお、シーズンオフの怪我のため開幕から欠場が続いていた加藤吏一が、ようやくこの大会で戦列への復帰を果たした。総合17位という結果はもちろん不本意なものだが、競り合って得たポイントの意味は大きい。加藤の再起へのチャレンジがようやくスタートした。