■夕闇の中、果敢な走りで3戦連続表彰台を獲得
ランキングは僅差の2位で後半戦をスタート
●日没直前のチェッカーは、惜しくも3番手
夕闇迫るホームストレートに、トップグループのマシンが戻ってきた。後続を大きく引き離した3台のマシンの中に、ライムグリーンのゼッケン87の姿もあった。先を行く2台は渡辺選手(#76)と酒井選手(#39)。この3台が序盤からレースを引っ張り、他を寄せ付けない速さでレースを作っていった。結果は惜しくも3位。それでも3戦連続で表彰台を獲得し、ランキングでも僅差の2位とシリーズチャンピオンに向け、着実に歩を進めている。
●スケジュールの関係で決勝レースは20ラップに短縮
アクシデントが重なったレースは、異例ともいえるイレギュラーなスケジュールで進行した。最初のスタートは午後4時30分。この時点ですでに2時間遅れ。25周の決勝レースも、急遽20周に短縮が決定された。フロントロー3番手のグリッドについた柳川選手は、1コーナーを5番手でクリアしたが、その直後後続にアクシデントが発生。すぐさま赤旗が出されてしまう。
●2位のポジションをキープする作戦に
コース整備が終了し、再びスタートが切られたのは午後5時前(記録上はこのときのスタートが第1レースとなる)。抜群のスタートを見せた柳川選手は、2位でオープニングラップを終了。逃げる酒井選手を追いかけつつ、手島選手(#48)を先頭とする後続グループとの差を確実に広げていった。「本当はもっと攻めたかったのですが、フロントに少し問題を抱えていたので、無理をするより2位のアドバンテージを守ることに作戦を切り替えた」と柳川選手。ラップタイムは28秒後半から29秒台前半をキープしていた。
●2度目の赤旗で、再びタイム差ゼロに
「motoGPへのスポット参戦が決まり、その準備で前日までGPマシンを乗っていたんですが、そのせいなのかJSB1000にうまくアジャストできなかったのかもしれません。それでもメカニックと相談して前週のテストで、タイムが出たセットに決定」したことが、好結果をもたらし、後続に対して十分すぎるアドバンテージを保ちながら単独走行を重ねていた。
ところが、レースも折り返しを過ぎた11周目に、ハイポイントコーナーで転倒車両がコース上に残ってしまい、再び赤旗中断。規定周回数に達していなかったため、残り10周を残しての再レースとなってしまった。視界から遠ざかっていた酒井選手との差はゼロになった。が、後続に対するアドバンテージもゼロ。一からのやり直しだ。
●日没直前のレースでは終始接近戦を展開
夕闇がそこまで迫っていた。この日、3回目のスタートが切られたのは、午後5時56分。日没まで20分を切っていた。三度、好スタートを見せたのは酒井選手だったが、柳川選手も背後にぴたりとつける。じわじわその差を広げられた前回と違い、テールトゥノーズで酒井選手の独走を許さない。さらに渡辺選手が続き、この3台でトップグループを形成。1分29秒台半ばでレースが続いていく。
ヨシムラの2台にサンドイッチされたまま、終盤にさしかかった柳川選手は、「フロントが滑り出して、2人に離されないようにするのが精いっぱいだった」と振り返る。このときすでに路面温度は、20度以上も低下。各チームとも想定外の路面状況に困惑していた。それ以上にライダーたちも想定外のレースに、最後の力を振り絞っていた。
優勝したのはヨシムラの渡辺選手。次いで酒井選手、柳川選手はコンマ7秒遅れの3位となった。タイム合算ではないため、このレースでのリザルトがそのまま公式記録となり柳川選手は、20ポイントを獲得。3ポイント差で渡辺選手を追うこととなった。
<<野村監督のコメント>>
状況が変わっても、競り合う相手が変わっても、決して自分を失わない柳川選手らしいレース展開でした。菅生入り直前までmotoGPマシンでテスト走行していたせいか、なかなかアジャストできずに苦しんでいた様子でしたが、メカニックとのコミュニケーションの中で課題を見事にクリア。優勝こそ逃してしまいましたが、期待以上の走りを見せてくれたのではないでしょうか。後半戦を戦う上で非常に価値のある表彰台だったと思います。
|