| 華麗なまでの追い上げ劇に期待はふくらんだが…
土曜日の予選。思うようなクリーンラップがとれず満足なタイムアタックができないまま、まさかの11番グリッドとなった酒井選手だが、その表情は意外なほどに明るかった。その表情を裏付けるかのように、あけた決勝当日のウォームアップ走行では、一部ウエット状態が残るコースでトップタイムをたたき出すなど、ファンの期待はさらに大きくなった。
迎えた決勝レース。ラッシュアワーのようなオープニングラップでも、酒井選手はひるむことなく9位でホームストレートに戻ってきた。追い上げがはじまったのはそこからだ。「2年続きで結果を残せていなかったので今回はポイントを奪うことだけを念頭に走りたい(大作選手)」と話していたが、8位、7位と周回ごとにポジションをアップ。7周目には同じNinja
ZX-6RRを駆る鶴田選手の背中をとらえ、9周目にはその鶴田選手をかわした勢いで、この日最速となる59秒台をマークした。そして10周目第2ヘアピンでついに表彰台圏内の3位に。華麗なまでのこの追い上げ劇に、サーキットに駆けつけたファンは大歓声となった。
ところが追い上げ劇の間にトップ2台とのタイム差は6秒以上と、決定的ともいえるほどのギャップに広がっていた。それでも30周で行われる決勝を考えるとようやく序盤が終わったばかり。しかも、目に見える猛追を見せられた観客の多くは、ひょっとするとトップ2台の背中が見えるかもと思ったのである。その瞬間だった。「あのセクションは自信があったし、事実CXコーナーで詰めて第2ヘアピンで抜いていた(大作選手)」というCXコーナーでまさかのスリップダウンを喫してしまったのである。
【野村監督のコメント】
酒井選手にとって苦手意識のあるコースでしたが、事前テストを含め去年までとは違う手応えを感じていたようです。雨の予選とうってかわって決勝レースではその成果が見え、周回ごとに確実な走りで、表彰台に手が届くところまで来たのですが、油断したのでしょうか…。ファンの方の期待も大きくなっていたところだっただけに本当に惜しいことをしました。次戦は慢心することなくトップをねらってもらいたいです。
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